3Mix療法とは

虫歯治療に3種の抗菌薬
虫歯をあまり削らない治療を説明いたします。抗菌剤を埋め込んで虫歯の原因となる細菌を殺滅します。
これがテレビなどでも取り上げられた3Mix療法です。抗生物質など三種類の抗菌剤を混ぜたペーストを虫歯に塗りこみ、セメントで密封。すると、象牙質の奥に入り込んだ細菌が薬剤で殺滅され、虫歯の進行がとまり、痛みがなくなります。

虫歯は、口の中にいるミュータンス菌などさまざまな細菌が、食べかすなどから酸を作り、酸が歯をとかすことで起こります。虫歯部分にはびこる細菌を退治す れば、歯をあまり削らずに虫歯の進行を抑え、歯の持つ自己修復能力により、健康な状態に戻すことができます。ここで知っておいていただきたい事がありま す。
3Mix療法は、新聞、テレビで報道されていますが、まったく削らずにすむ方法ではありません。薬剤を入れる隙間が必要です。その部分を作る為に歯を削り ます。そのとき、虫歯の深さによってはしみることがあります。前歯は見た目を考え、変色部を削ります。マスコミで喧伝されているような、まったく無痛の治 療ではありません。しかし、神経を取らずにすむ可能性があるなら、試みてみたいと思われる患者さんに施術いたしております。

三種類の抗菌剤  フラジール シプロキサン セファクロル、といった3種類の薬剤を粉状にして混ぜ、塗布。浸透しやすいようにペースト状にしたものを使います。新潟大学の歯学部保存教室で開発されました。若い方ほどよい結果が出やすい傾向があります。通常、薬として飲む量の160~200分の1くらいの量を使用します。虫歯の治療だけでなく、歯肉が腫れて膿んでいる場合、3Mixをセメントに混ぜて歯肉に貼り付けると、かなり効果があります。レーザーと併用して使いますと、麻酔をして歯肉にメスを入れて膿を出す従来の方法を用いなくても、かなり楽に症状を抑えることができるようになりました。

90%以上に効果があると発表されていますが、3Mix療法は万能の薬ではありません。かなり進行した虫歯や、抗生物質の効かない耐性菌などには効果がないようです。又、上記の薬にアレルギーのある方には使用できません。その点を踏まえ、利点を生かしながら使うように指導されています。テレビで放送されたビデオもございますので、興味のある方はお申し出ください。当院では1998年くらいから使用しております。(作図 河村優子)