親知らずを始めとする外科治療や、顎(がく)関節症を長年診てきて思うことは、患者さんが「どこで治療してもらえるのかわからなかった」とおっしゃることがとみに多いことです。

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現代人の親知らず(特に下の親知らず)は、半数以上が正常に生えません。18歳から25歳くらいといった遅い時期に生え始めることが多いので、 生えるスペースが少なくなり、まっすぐに生えず、歯の頭の一部が口の中に見える状態が長く続きます。

番奥に生える為、ブラシも届きにくく、歯と歯肉の間にタベカスがたまりやすくなり、歯冠周囲炎と 言う歯肉の腫れをよくおこす人があります。また、まっすぐ生えず歯肉やほほを傷つけることもあります。そのような親知らずは抜いたほうがいいと説明してい ます。 ただ、水平埋伏歯といって、骨の中に頭がほとんど埋まっている状態の下の親知らずを抜いた後、多くの患者さんに、ほほの腫れ口が開きにくい飲み込みがつらい痛みが数日残るといった症状が出る為患者さん本人が納得していただいてから、抜くようにしております。(写真は埋伏している親知らずを透明プラステイックを用いて作った説明用模型 )

  の親知らずの 根元に太い神経と血管が通っているので、それを傷つけない為に歯冠をおおっている骨をとらなければならないことがしばしばあります。抜くときに根元の神経 が通っている部分に力を加えると、それを傷つけることになりかねないためです。骨を大きくとると、根元に強い力をかけずに抜くことができるので、根元と神 経が近い場合は特に多くの骨をとります。骨を多くとると腫れる症状が強く出ます。
間として30分位かかります。麻酔も口周辺半分が数時間麻痺します。外来で治療する処置としてはかなりハードです。若いうちに抜いておいたほうがいいと説明します。年齢を一つ重ねると一つ治りが遅くなります。妊娠時期にはれると、診査の為 のレントゲン撮影、抗生物質、鎮痛剤が使いにくくなるので、結婚をひかえた女性は独身のうちに抜いたほうがいいと説明しますが、ほとんどの方は「大きなお世話だという顔をされます。